内分泌科治療例

クッシング(副腎皮質機能亢進症)

この病気は副腎皮質からホルモンが過剰分泌されてしまう病気です。理由は脳のそばにある
下垂体が原因の時と、副腎自体が腫瘍化してしまう場合があります。診断はエコーによる
副腎の検出と、副腎ホルモンの分泌を血液検査で測定する事で行います。場合によっては
下垂体の腺腫を検出するために、MRI検査を行う事もあります。(MRIに関しては専門病院との
連携によって行われます)
症状は、お水を良く飲む、痒みを伴わない脱毛、筋肉の薄弱、肝酵素の上昇、など様々です。
以下の写真に掲載させて頂いたワンちゃんは脱毛のみではなく、男性ホルモン(これも副腎から
分泌されます)過剰の疑いがあったため、検査を行い副腎皮質機能亢進症を診断し治療を行い
ました。外見上よく分かる変化として脱毛が改善されているのがわかります。
副腎皮質機能亢進症は外見上の改善だけではなく、副腎皮質ホルモンの過剰分泌による弊害を
防ぎます。この弊害は肝障害を起こしたり、糖尿病になるリスクをあげたり、皮膚を弱くしたり
色々なものがあります。副腎皮質機能亢進症を治療する事は、先に挙げた症状を起こさせないため
行う要素が大きいです。
治療は副腎からのホルモン分泌を抑える薬を使いますが、抑えすぎてしまうと逆に
副腎皮質機能低下症になってしまいます。定期的なホルモン濃度測定と厳密な投与計画が必要に
なります。


(治療前)


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(治療後)


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糖尿病性ケトアシドーシス

ワンちゃんやネコちゃんにも、人間と同じく糖尿病があります。
治療例として紹介する患者さんは、インスリンの低下により糖分の利用ができなくなる
糖尿病だけでなく、糖からのエネルギー産生の代わりに脂肪が分解され、体に害となるケトンが
産生されて蓄積している状態を言います。さらに肝リピドーシスも起こしていました。
まず初期治療として高血糖を解除し、脂肪からのエネルギー利用から、糖からの
エネルギー利用に変えていかねばなりません。まずは初日にインスリンを導入した時のグラフを
示します。


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正常血糖は80〜150くらいです。はじめは400近くありました。急激な血糖の低下は
脳細胞に負担をかけるので、持続的なインスリンの投与により正常血糖近くまでゆるやかに
下げています。このとき患者さんは虚脱していて、血漿という本来透明な部分がミルク色に
濁っている状態でした。徐々に食餌を補給し正常な状態に戻すまで5日間かかりました。
救命出来ない事もある病態なので無事退院できたことを嬉しく思いました。
ただし、糖尿病が完治したわけではないので、インスリンを補給し続ける日々がつづきます。


(白濁した血漿)   (透明になった血漿)


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