皮膚科治療例

アカラス症(脂漏性皮膚炎併発)

症例:おそらく高齢のシーズー(保護犬)
併発疾患:乾性角結膜炎 僧房弁閉鎖不全症
治療:ブラベクト1回内服 
   アトピー性皮膚炎の管理
   サンデミューン点眼 ACE阻害剤

経過:良好 治療3か月後には皮膚の脂漏がおさまり発毛が見られた

 

この子のブログはこちら→アカラス(ニキビダニ)治療に強い味方ヽ(^o^)丿

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アトピー性皮膚炎
症例:チワワ
経過:改善しないかゆみでの転院
治療:シクロスポリン(アトピカ)、プレドニゾロン
コメント:転院と書きましたが、他院での治療経過を聞くとほぼ現在の獣医療でできることを網羅していました。その場合、新しくできることは少なく苦慮しました。シクロスポリンという薬は、一過性に嘔吐または下痢が出やすく、高価なお薬です。そのため使用期間が短く反応なしとされていたため、そのお薬のジェネリック品ではなく正規品を使用し、効果判定のできる期間服用してもらいました。結果として功を奏し改善してくれましたが、今も症状に合わせたお薬の強弱をして管理しています。
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発赤の低下、発毛の増加が認められます。
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アトピー性皮膚炎は治る病気ではなく、どちらかというとうまく付き合っていく病気です。当院ではシクロスポリン、ステロイド、インターフェロン、除去食、マイクロバブル、アレルギーテストを用い、それぞれの飼い主さんにあわせた治療法を選択していきます。
これらの治療法の中でもアレルギーテストによるIgE検査と、リンパ球反応検査をを利用した食事療法の選択は、有効であることがしばしばあります。(アトピー性皮膚炎の治療でこれを行えばすべての患者さんで有効な治療は存在しません。)アレルギー反応はIgEを介したものと、リンパ球を介した反応があり、どちらが優位な反応かわからないので、片方だけ検査するより両方検査をしたほうが有用です。以下は検査の1例です。
クリックすると拡大できます
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アカラス症
症例:ゴールデンレトリバー 11才
経過:慢性皮膚炎が治らない
治療:ドラメクチンによるアカラスの駆虫と感受性テストによる抗生剤の選択
コ メント:他院にてなかなか治らない皮膚病とのことでしたが、治療反応が乏しい場合は、アカラス症の場合、複合原因であることが多いです。例えば免疫機能の 低下を起こす腫瘍性疾患の併発や、ホルモン分泌異常、アトピー性皮膚炎、など考えられます。今回症例は深在性膿皮症の完治が行えず、アカラスによる対処を 行っていたため、治療反応が悪かったようです。長い治療経過があったため、細菌による皮膚炎の治療には、感受性テストの結果から適切な抗生剤の選択を行い 対処しました。アカラスに対しては、イベルメクチンが使用された経緯があったため、ドラメクチンを使用しました。1ヶ月くらいで皮膚は正常化し、半年間再 発のないことを確認し、完治と判断しました。
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7歳、シバ犬

[経緯] 2年前より皮膚炎と痒みがあり、他院にて治療。改善乏しく当院へ。

来院時の所見

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約1ヶ月後

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このワンちゃんの来院時の皮膚は、慢性経過により黒く色素沈着していました。
一ヶ月でここまで改善してくれたのは、とても嬉しかったです。

行ったことは、感染の管理(抗生剤、シャンプー)、甲状腺ホルモンの管理、
免疫抑制剤によるアトピーの管理です。
感染については、顕微鏡による検査を行い、検出される菌に対する薬を使用しました。
甲状腺ホルモンについては、院内での血液検査により、甲状腺ホルモン濃度を測り、
正常値を維持しています。
免疫抑制剤は、副作用が起きないよう年間許容量を超えないよう管理し、
2剤を組み合わせて管理しています。

獣医として飼い主さんにお伝えすべきことは、アトピーにしても、甲状腺にしても
ずっと付き合っていく病気であるということ。いついつまで薬を飲んだら終わりと考えていると
いつまでたっても治らない。と感じてしまいます。100点満点中80点で維持していく、と考えると
薬の量を無理に増量することもなくなります。
ワンちゃんがかゆみが少なく、ストレスに感じず、獣医も飼い主さんも
皆が満足できる治療を目指していきたいです。