眼科治療例

眼瞼内反症
眼瞼痙攣からの眼瞼内反症


症例:生後11ヶ月、オス、未去勢、5.3kg、猫(セルカーフレックス)

原因:角膜潰瘍の刺激や痛みによる眼瞼痙攣から併発した眼瞼内反症
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術式:眼瞼内反整復術(Hotz-Celsus法/外眼角形成術)


術後フォロー:術後はまだ結膜の炎症による浮腫や角膜びらんがあったため、点眼処置や抗生剤投与と鎮痛処置を実施しました。

術後12日での抜糸時には、結膜の炎症もなく、角膜もきれいに改善し、目の開きも左右差がなくなりました。

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コメント:眼瞼内反とは、まぶたが内側に反り返ってしまい、目の中に入り込んでしまった状態をいいます。まぶたやまぶたの毛が目に入ることで、角膜表面に当たり、刺激になることで角膜炎や結膜炎を引き起こします。

原因は先天性と後天性の場合があります。

猫では稀ですが、先天性ではペルシャやヒマラヤンなど短頭種にみられます。

後天性では、慢性的な角膜炎や結膜炎で痛みが強いとまぶたの痙攣が起こり、その結果、眼瞼が内側に反り返り、角膜炎や結膜炎の症状を悪化させてしまうことがあります。

軽度の場合は、一時的に眼瞼を外側に反り返す処置を施しますが、眼瞼痙攣が持続して、まぶたが元の形に戻らない場合は、今回のようにまぶたの形を整える手術を実施します。


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角膜穿孔からの眼球摘出に至った症例
症例:ペキニーズ   10歳  オス  5.0kg

原因:角膜潰瘍からの角膜穿孔、角膜虹彩癒着、眼球内容物突出と前房消失、全眼球炎

術式:眼球摘出

        BUN 36 ,ALT 200 ,ALP 1568 ,CRP 5.3

術後フォロー:鎮痛、感染予防ケア、肝臓治療

2週間後:眼窩の腫れ消失し眼窩陥没ややあり。

       BUN  31,ALT 42, ALP 145 ,CRP  0.4

1ヶ月後:眼窩陥没ややあるが、被毛も伸び外見上目立たず。


コメント:


角膜の傷には表層性と深層性とありますが、角膜の傷が深くなると、角膜に穴があいて眼球の内容物が突出してしまう角膜穿孔という状態になります。
今回、目がおかしいなから2日で角膜穿孔、全眼球炎になり角膜破裂していたため眼球摘出に至ったペキニーズがいました。

短頭種は目が大きく、鼻が低いため、目の疾患が多いですし、外傷から痛みで目をこすって悪化することもあるので、注意が必要です。

眼の傷は皮膚などの傷とは違い、穿孔してしまうと眼の機能を失ってしまうので、1日でも早くが視覚維持、眼球温存にとても大切です。

この子のブログはこちらをどうぞ♪→角膜穿孔から眼球摘出に至った症例


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ウサギのぶどう膜炎続発性前房突出
症例:ウサギ   生後6ヶ月  1.2kg

原因:エンセファリトゾーン感染関連性ぶどう膜炎による虹彩膿瘍、虹彩膨隆からの隅角狭窄による前房水貯留と前房突出

治療:抗生剤・消炎剤の点眼・抗生剤内服➕緑内障点眼

コメント:本症例では虹彩への孤在性の白色腫瘤が認められ、パスツレラ関連性ぶどう膜炎あるいはエンセファリトゾーン関連性ぶどう膜炎が疑われる。

虹彩膨隆からの前房隅角狭窄からの続発性緑内障(前房水貯留)が併発したと思われる。

前房突出がなくなった後も、2週間程点眼を続けたが、同時に虹彩の炎症や血管反応がやや引いた為、緑内障用点眼薬を中止し、抗生剤の内服と点眼・消炎剤の点眼・経口的にフェンベンダゾールを継続して治療経過中である。

微胞子寄生虫(エンセファリトゾーン)は以前から白内障や水晶体嚢破裂の原因として知られているが、子宮内での発生の間に水晶体に侵入し、白内障を伴うことも伴わないこともあるが、最終的に嚢破裂を起こすようである。


前房突出時
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改善後
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ぶどう膜炎、眼内炎、血管反応顕著
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治療から3週間後、血管反応やや退縮
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眼瞼腫瘤
症例:雑種犬、5歳、4.6kg

原因:眼瞼腫瘤(霰粒腫)

手術:V字眼瞼切除法

コメント:
眼瞼が膨れて腫瘤状になると、眼瞼は眼球に近いので、できた位置や大きさによって、目の違和感や充血、涙や目やにが出てくることがあります。

眼瞼の腫瘍は良性が多いと言われますが、悪性腫瘍の可能性もありますし、角膜に傷ができる原因にもなります。

大きくなりすぎると、切除した後の外貌の変形やアイラインの確保が難しく毛の生えている部位の皮膚を移植してくることで、術後のケアが大変なこともあります。

眼瞼の腫瘍は出来るだけ小さい内に切除することが推奨されています。

今回、眼瞼に腫瘤ができ、腫瘤の芯が眼球に接触することで、違和感や充血が見られたので切除しました。

術後は眼瞼の形も安定し、違和感もなくなり、充血もしなくなりました。

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外麦粒腫
症例:ポメラニアン   7歳  5.4kg


診断名:外麦粒腫


原因:

麦粒腫は睫毛の根元にある眼瞼(まぶた)の表面についている黄色ブドウ球菌などの細菌が分泌腺に入り感染して化膿・炎症を起こしたもので、眼瞼が赤く腫れて痛みと痒みがあり、もちろん白目が赤く充血することもあります。

この病気は人間だけでなく、犬や猫、馬、ハムスターなどもかかります。


治療:

処置としては、抗生物質の点眼薬や軟膏あるいは抗生物質の内服薬を用います。

また、化膿が進行した場合膿も出ますが、でない場合は切開して膿を出すこともあります。


コメント:

本症例では抗生物質の軟膏と内服薬の併用で徐々に引いてきて、4週間目には完治が確認されました。


細菌感染ではあるものの伝染性はありません。ただし、麦粒腫にかかった瞼を触った手で、また別の目を触るなどした目が麦粒腫に感染することはあるので手洗いはとても大事です。


初診時
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一週間後
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四週間後
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KCS(乾性角結膜炎)
症例:キャバリア  12才  メス  7.86kg

原因:乾性角結膜炎(KCS)

治療:ヒアルロン酸点眼、シクロスポリン点眼

コメント:乾性角結膜炎(KCS)は涙液分泌の低下あるいは涙液の質の低下に伴う角結膜上皮障害の総称で、慢性疾患のため一生治療を継続しなければならないことが多い。

涙液の量的、質的減少だけでなく涙腺、眼瞼角結膜を含む眼表面に起こる様々な疾患が関連している。治療は涙の3つの構成成分である油層、水層、ムチン層を正常に近づけ、涙膜を形成することにある。

状況に応じて数種類の点眼液を併用して、角膜変化をコントロールすることも必要である。


眼脂、充血あり
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眼脂、充血減少傾向
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網膜変性症
症例:  トイプードル      7 才      4.15 kg 
原因:網膜変性(進行性網膜萎縮)による視覚障害、未熟白内障
検査:神経眼科学的検査(瞳孔対光反射+、眩目反射+-、威嚇瞬き反射-、落下テスト-)・スリットランプ・網膜スクリーニング検査(アイリスベット)・眼底検査(クリアビュー)
アイリスベットは色調が違う光によって視力の評価を行う機器です。

光に対する瞳孔の動きをみて、視覚があるか、どこに異常があるか、MRIなどの検査が必要かを見分けることができます。アイリスベットの所見:両眼ともに赤色光反射+-、青色光反射+→遺伝性網膜変性が疑われる


眼底所見:右眼、タペタム領域の反射異常、視神経乳頭の血管萎縮、網膜血管の狭細化(右画像)
未熟白内障(左画像)
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眼底所見:左眼、タペタム領域の反射異常、視神経乳頭の血管萎縮、網膜血管の狭細化 (左画像)
未熟白内障 (右画像)
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診断:網膜変性症(進行性網膜萎縮)

進行性網膜萎縮は徐々に視覚消失する場合でも、生活環境が変わることで急に物にぶつかり出したりしたとの所見で来院することが多い。

網膜変性が原因で白内障が進行する事が多いため、網膜変性を進行させないようにサプリメント(メニわんeye)を服用している。

簡易的眼瞼接着法で深層性角膜潰瘍が改善された例
症例:6歳  パグ 雌  角膜潰瘍

原因:右側顔面麻痺による瞬き運動不全からの乾性角結膜炎、これによる角膜潰瘍の悪化
右側顔面麻痺があることで、瞬き運動ができないパグちゃん。乾性角結膜炎で充血や目やにがあったので、ドライアイ予防の目薬を使用していました。そんな中、角膜に外傷が起こり、来院された時はかなり傷の深い角膜潰瘍になっていました。
術式:簡易的眼瞼接着法
他の基礎疾患があり、麻酔リスクはある子と判断しましたが、急を要するため、その場で簡易的に外科用接着剤で眼瞼接着をする方法を実施しました。
コメント:この方法のメリットは麻酔リスクのある子でも無麻酔で容易に実施することができ、処置的には痛みを伴わないことと安価であること。デメリットは強度が弱いため、潰瘍が改善するまで接着している保証がなく、自然に剥がれるのを待つ形になる事です。


開眼直後の角膜                   点眼と眼瞼マッサージを継続して3週間の角膜
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この子の場合は、顔面麻痺があり自分で眼瞼を開こうとする運動が殆どなかったためか、自然に開くまで2週間持ち、開眼した時にはデスメ膜寸前だった潰瘍も改善されていました。まだ充血や血管新生は存在していましたが、点眼と眼瞼マッサージの継続で改善されました。

 

緑内障 (強膜内シリコンインプラント挿入術)

症例:ラブラドール・レトリバー、9歳、メス
原因:緑内障、牛眼。
術式:右眼強膜内シリコン義眼挿入術
初診時、角膜混濁、 虹彩肥厚、強膜血管怒張、右眼の牛眼が見られた。眼圧は右眼39mmhg、左眼17mmHg。内科療法で2日後右眼眼圧は27~31 mmHgに一時的に下がったが、以降50~57mmHgで眼圧低下は見られなかった。すでに視覚が失われており、眼の疼痛除去とQOL向上を図るために、 右眼の強膜内シリコンインプラント挿入術を行った。
術後フォロー:反対眼の眼圧定期健診、緑内障の早期発見(視覚も確保に向けて)


左:挿入したシリコンインプラント  右:術後一日目


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コ メント:目の中には眼房水という水があり、この眼房水の圧力(眼圧)により目の硬さや大きさが保たれている。緑内障とは眼房水が溜まり過ぎ、眼圧の上昇に 伴い視覚障害が進行し、疼痛や外貌の醜悪化、失明を招く疾患である。早期に内科的治療や外科的治療で眼圧がコントロール出来た場合は視覚が確保されること がある。しかし、動物は緑内障の初期症状で自覚症状を訴える事が無いので、発見が遅れると、視覚回復が望めない緑内障になってしまう。内科的、外科的治療 で眼圧がコントロールできなかった場合は視覚障害(失明)や疼痛が起こり、さらに角膜障害、牛眼、眼球癆などの外貌の変化が進行する。このような緑内障眼 に対して疼痛の除去、内科療法による長期的な全身性副作用を軽減するため、また飼い主様の長期的な経済的負担の軽減など、QOLを図るために「強膜内シリ コン義眼挿入術」という方法を提案した。
術後は痛みがなく、眼球の動きもあり、明らかな疾患眼に見えにくいので飼い主様も受け入れやすい外貌となる事などが利点である。眼球摘出を選択する前に適用することができる手術の一つである。


左: 術後14日目(抜糸時) 血管新生が起こっている。良い経過である。
右:1ヶ月後   進行していた新生血管が少し退縮を始めて薄くなってきた。経過よし。

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左: 術後45日目   血管は退縮している。   右: 4ヶ月後    外貌は落ち着いている。

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適応禁忌は、視覚回復の可能性のある眼、重度の感染症および真菌性の内眼球炎と眼球内腫瘍です。乾性角結膜炎と角膜潰瘍では、角膜病変が進行しシリコン球の脱出につながるので適応となりません。

表層性角膜潰瘍 グレードⅡ

症例:フレンチブルドッグ   8歳  12.6kg


原因:角膜潰瘍
術式:瞬膜被覆術、周囲組織のデブリードメント


コ メント:点眼治療で2週間試みたが、角膜潰瘍の大きさに変化が見られなかった。外科的処置の必要性を話した上で、飼い主の希望で点眼治療を続け、周囲に血 管新生と瘢痕化による組織増生が見られたが、中央部は角膜潰瘍が残存していた。受傷から1ヶ月後、痛みの軽減と角膜修復保護として潰瘍周囲組織をデブリー ドし、瞬膜被覆術を行った。手術前に瘢痕化が存在していたこともあって、術後の瘢痕跡はハッキリとした角膜の白濁として残ったが、2週間後の抜糸時には、 潰瘍は修復され、盛り上がっていた角膜も滑らかな表面に戻っていた。
角膜潰瘍の修復過程で組織増生の盛り上がりが見られていたので、瞬膜被覆術は角膜保護としての密接性に優れ、点眼もし易いなどの利点がある。

瞬膜フラップ術中

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抜糸後

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深層性角膜潰瘍GV(デスメ膜瘤)

症例:シーズー、11歳、6.66kg
原因:角膜潰瘍(デスメ膜瘤)、角膜穿孔
術式:角結膜転移術
術後フォロー:ヒアルロン酸点眼の継続、麻酔下での抜糸


コ メント:表在性角膜潰瘍では、点眼処置、コンタクトレンズの装着、角膜格子状切開術などが行われるが、全層に及ぶ角膜の穿孔、デスメ膜瘤に対しては、角膜 の大きさにより単純角膜縫合術、有茎結膜被弁術、360度結膜被弁術などが眼球の温存のための選択肢となる。今回、実施した角結膜転移術は潰瘍部分を角膜 組織で覆って縫合し、結膜からの血液供給も促せるので、眼球および視覚の温存を得られるのが利点である。
角膜保護として、眼瞼縫合を同時に行い、2週間後に眼瞼縫合の抜糸、2ヶ月後に角膜抜糸を実施した。


術後4年経つ現在も角膜に瘢痕が残るものの、徹照法にて瞳孔が確認でき、移植弁の経過も良好である。


左:術後14日  右:術後27日


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左:術後40日  右:術後5ヶ月


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術後四年後(2015年現在)


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表層がルーズな角膜潰瘍

症例:パグ、3歳、5.56kg


原因:難治性角膜潰瘍、受傷2週間後も角膜潰瘍が存在し、開眼出来るようにはなったが、まだ羞明があったため、外科的処置必要と判断。

術式:角膜格子状切開術➕眼瞼縫合

予後:術後2週間で抜糸。受傷部位は一部瘢痕化し、角膜に薄い白濁部位として残存あるが、潰瘍部は治癒。羞明、充血もなく血管も退縮して周囲角膜の透明度は出て経過良好。


コメント:角膜潰瘍は先ず点眼治療から始めることが多いが、通常1週間以内で治癒する場合は角膜も元の透明な状態に回復する。しかし、1週間以上治癒する期間がかかり、血管新生などがあると角膜の外傷部は瘢痕化し、傷跡が角膜の白濁として残ってしまう。

また、2週間以上羞明を伴う潰瘍が残存している場合は、自己修復機能障害があり、点眼治療のみでは治癒が困難であり、外科的処置が必要な事がある。

そのような場合、潰瘍周囲の組織のデブリードメントを行い、周囲に新たな小さい傷を作成する事でその傷の修復過程を利用して、元の傷の修復も促す方法がある。

また、角膜の保護として眼瞼を一部閉じる処置も同時に行った。


手術前写真、角膜潰瘍フルオレセイン染色
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チェリーアイ

犬の目には、上眼瞼(上まぶた)と下眼瞼(下まぶた)のほか、鼻側に瞬膜といわれる第3の眼瞼があります。
その第三眼瞼の裏には第三眼瞼腺(瞬膜腺)という腺組織があり、チェリーアイはこの第三眼瞼腺が瞬膜の外に飛び出してしまう病気です。
飛び出した瞬膜腺はさまざまな刺激にさらされ、炎症を起こし、サクランボのように赤く腫れ上がります。
また、この部分が目の結膜や角膜を刺激し、結膜炎や角膜炎が起こり、流涙(涙を流す事)や目の充血がみられます。
目を気にして前足でこすって、角膜に傷を作る事もあります。
チェリーアイは通常、生後6ヶ月から2歳齢くらいの若い犬に多く認められるといわれますが、当院では8歳くらいのミニチュアダックスでも発症した例があります。


犬種ではアメリカン・コッカー・スパニエル、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、ビーグル、バセット・ハウンド、ブラッド・ハウンド、ボストン・テリア、ラサ・アプソ、シーズー、ペキニーズなどは1歳以下で発症する例が多いです。


チェリーアイは、飛び出している瞬膜腺をできるだけ元に戻す治療が行われます。飛び出した部分が大きい場合や、小さくても再発を繰り返す場合は外科手術による整復で元に戻すことが行われます。


 手術前の様子


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手術後の様子


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瞬膜腺は目の表面を保護する涙を作っている重要な組織なので、外科手術ではできるだけ温存する 方法が取られます。


症例:ミニチュアダックス、5歳、
原因:長期間の右眼瞬膜腺突出(4年程経過):チェリーアイ
術式:瞬膜腺脱出整復術(ポケット法)
予後:術後1週間の検診にて瞬膜の腫脹消失。1ヶ月後も再発なし。瞬膜正常。


コメント:瞬膜腺突出は瞬膜が反転して、瞬膜の内側にあるはずの瞬膜腺が外部に出ているため、時間が経つほど圧迫されて、瞬膜腺が腫脹し自然には戻らなくなります。また、瞬膜には軟骨があるため、長く反転していると軟骨の形状が自然には戻りにくくなります。
瞬膜腺が突出していることで、充血や目やにがでることもあります。
瞬膜や瞬膜腺は眼球の保護や角膜表面の異物除去・洗浄、30~50%の涙液産生などの機能があるため、このような場合は切除せず、内部に温存させる方法を取ります。
瞬膜腺が突出して直ぐ来院した場合は、簡易的に整復させる方法で修復することもあります。
何度も再発を繰り返したり、今回のように長期間突出していることで簡易的には整復が困難な場合は外科的に瞬膜腺を内部に戻す方法を行います。
術後は瞬膜腺が腫大しているので瞬膜が出ていますが、圧迫が取れた瞬膜腺が元の大きさになると瞬膜も戻ります。
瞬膜腺突出は修復することが出来る症状なので、気が付かれたら出来るだけ早めに病院に来院されて下さい。


左: 瞬膜腫大  右: 瞬膜腺整復後

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